腎機能が低下している方へ

腎機能の低下は、体内の老廃物を排出する能力が落ちている状態を示し、進行すると透析治療が必要になる可能性があります。慢性腎臓病は初期には自覚症状がほとんどないため、健康診断での早期発見が治療の鍵となります。
腎機能低下の主な原因には、糖尿病、高血圧などがあり、これらの基礎疾患の管理と並行して腎機能を保護する治療を行うことが重要です。
新中野なべよこ内科では、腎機能低下の程度と原因を詳しく評価し、それぞれの患者様に適した治療計画を立案します。健康診断で腎機能の異常を指摘された方は、できるだけ早めにご相談ください。
腎機能検査の数値の意味
クレアチニン
筋肉で作られる老廃物です。通常は体外へ排出されるものですが、腎機能が低下すると血液中に蓄積し数値が上昇します。
eGFR
推算糸球体濾過量を意味するもので、クレアチニンの値と年齢、性別から算出される腎機能の指標です。正常な腎機能を100%と仮定すると、何パーセントの働きが残っているかを示します。60%未満を示す場合、医療機関の受診が必要です。
BUN(尿素窒素)
体内でたんぱく質が代謝を受けた後に出る老廃物です。他の検査項目と同様に、腎臓の濾過機能を評価する際に見るものです。
腎機能低下の原因
糖尿病腎症
腎機能が低下する原因のなかで大部分を占めている病気です。長期間の高血糖状態により、腎臓の細い血管が傷つくことで腎機能が低下します。
高血圧性腎症
高血圧により腎臓の血管に負担がかかり続けることで、徐々に腎機能が低下します。
慢性糸球体腎炎
腎臓の糸球体に慢性的な炎症が起こる病気で、尿検査の異常から見つかることもしばしばあります。
薬剤性腎障害
痛み止めの長期服用や一部の抗生物質、造影剤などが原因となることがあります。
その他にも脱水や腎尿路結石、前立腺肥大なども腎機能低下の原因となります。
腎機能低下の影響
腎機能の低下は、初期は無症状でも進行するとむくみやだるさ、食欲不振などの症状が現れ始めます。さらに進むと貧血状態になったり骨がもろくなったり、血圧が上昇したりするなどの合併症が起こります。
腎機能が一定のライン以下になると「腎不全」となり、透析や腎移植が必要になります。透析は週3回、1回4時間程度の時間を要するため、生活に大きな制約をもたらすため、早期に発見して適切な治療を行うことが非常に重要です。
今すぐ始められる対策
食習慣を見直す
腎臓への負担を少しでも減らすため、以下の点に注意しましょう。
塩分制限
1日6g未満を目標にします。減塩により血圧が下がり、腎臓への負担が軽減されます。
たんぱく質の摂取
過剰なたんぱく質は腎臓に負担をかけますが、極端な制限も良くありません。主治医と相談して適切な量を決めましょう。
その他の生活習慣の改善
食事以外にも、以下の生活習慣が腎機能保護に効果的です。
- 家庭での血圧測定を習慣付け、適切に管理する
- 血糖値をコントロールし、糖尿病の発症や悪化を防ぐ
- 適度な運動によって適正体重を維持する
- 禁煙する など
他にも、脱水は腎機能を悪化させるため、適切な水分摂取を心がけましょう。ただし、むくみなどの症状がある場合は相談が必要です。
受診の目安や準備
早めの受診が必要な場合
- 健康診断で繰り返し異常を指摘されている
- 尿検査で異常(たんぱく尿・血尿)がある
- むくみやだるさなどの症状が出ている
- すでに糖尿病や高血圧がある
- 家族に腎臓病の人がいる など
受診の準備
- 健康診断の結果(過去のものもあれば)
- 他の病気や服薬中の薬の情報
- 家族歴の情報
- 排尿の状態(回数・量・尿の性状など)
- 気になる症状のメモ など
当院での診療
新中野駅から徒歩3分・杉並区東高円寺・和田からも通院が便利な新中野なべよこ内科では、腎機能低下の原因を詳しく調べ、悪化を防ぐ治療を行っています。
- 血液検査
- 尿検査
- 必要に応じて腹部エコー検査
これらの検査により、腎機能低下の程度と原因を評価します。原因に応じて血圧管理や血糖管理、食事指導などを組み合わせた治療計画を立てます。
定期的な検査により進行度を確認し、必要に応じて腎臓内科医と連携しながら治療を提供します。腎機能の低下は、初めの頃は症状が出にくいものですが、早期対応が非常に重要です。健康診断で指摘を受けたことをきっかけとし、腎臓に優しい生活を送りましょう。