糖尿病性神経障害とは?

糖尿病性神経障害は、糖尿病の慢性合併症のなかで早期に現れる疾患です。糖尿病患者様の多くに発症するとされ、進行すると日常生活に深刻な影響を与えます。多くの患者様がいると推定されていますが、初期症状が軽微なため「足がしびれる程度」「たいしたことない」と軽視し、適切な治療を受けずに症状が進行してしまう方もしばしばいらっしゃいます。
糖尿病性神経障害は一度進行すると、神経の損傷により回復が困難な疾患ですが、早期からの血糖管理と適切な治療により、進行を遅らせることは可能です。新中野駅から徒歩3分・杉並区東高円寺・和田からも近い新中野なべよこ内科では、早期発見から継続的な管理まで、専門機関と連携しながら患者様をサポートしています。
糖尿病性神経障害の特徴・原因
特徴
糖尿病性神経障害は高血糖が持続することで末梢神経が損傷を受ける疾患です。主に感覚神経や運動神経が障害を受け、なかでも多いのは手足の感覚神経に起こる末梢神経障害です。重要な特徴は、一度損傷を受けた神経は修復が非常に困難であるということです。症状が軽いうちから血糖コントロールを厳格に行い、神経障害の進行を防ぐことが極めて重要になります。
主な原因
糖尿病性神経障害の主な原因は慢性的な高血糖状態です。患者様の多くが長期間にわたって血糖コントロールが不良な状態が続いており、高血糖により神経細胞が直接的な損傷を受けます。その他の要因として、糖尿病の罹病期間、血圧や脂質の管理状況、喫煙、飲酒が挙げられます。また、遺伝的素因や年齢、肥満なども神経障害の発症・進行に影響します
糖尿病性神経障害の症状
糖尿病性神経障害の初期症状は足の指先から始まることが多く、「足の指先がしびれる」「靴下を履いているような感覚」「足が冷たく感じる」といった症状が現れます。
症状が進行するとしびれや痛みが足全体から膝下まで広がり、歩行に支障をきたします。さらに進行すると感覚が鈍くなり、けがや火傷に気づかないため潰瘍や感染症のリスクが高くなり、これらは患者様の生活の質を大きく低下させる要因となります。
糖尿病性神経障害の検査・診断
糖尿病性神経障害では、足の感覚検査において振動覚や触覚、痛覚などを詳しく評価し、腱反射の低下や消失を確認します。血液検査では血糖コントロールの状態についても評価します。より詳細な評価が必要な場合は専門医にご紹介いたします。神経伝導速度検査、定量的感覚検査、自律神経機能検査など、より専門的な検査により詳しい神経障害の程度評価と治療方針の決定を行います。
当院での治療
糖尿病性神経障害の治療で重要なのは血糖管理です。当院では、個々の患者様に適したHbA1c目標値を設定し、食事療法・運動療法・薬物療法を組み合わせた包括的な糖尿病治療を行います。神経障害性疼痛に対しては、症状に応じた疼痛緩和のための薬物治療を検討いたします。
生活指導では、足のケア方法、適切な靴の選び方、日常生活での注意点について具体的にアドバイスし、定期的な血糖測定と足の観察についても丁寧にサポートいたします。
重篤な神経障害や足潰瘍がある場合は、糖尿病専門医・神経内科専門医による高度な治療が必要となるため、専門機関と連携しながら患者様のサポートを行います。
日常生活での注意点
血糖管理
糖尿病性神経障害の予防において重要な管理は厳格な血糖コントロールです。HbA1cを目標値以下に維持することで、神経障害の発症や進行を抑制できます。
足のケア
毎日の足の観察を習慣化し、傷や変色、腫れがないかを確認することが重要です。適切なサイズの靴を選び、素足での歩行を避け、爪は正しい方法で切るなど、足の外傷予防に努めてください。
服薬管理
処方された血糖降下薬や神経障害性疼痛治療薬の定期的な服用は、糖尿病性神経障害の管理に極めて重要です。自己判断による服薬中止は危険ですので、服薬に関することは必ず医師の指示に従い、疑問や不安がある場合はご相談ください。