糖尿病とは?

糖尿病は血液中のブドウ糖(血糖)が慢性的に高い状態が続く病気です。初期には自覚症状がほとんどないため、健康診断で初めて指摘される方が多くいらっしゃいます。
糖尿病の本当の怖さは血糖値が高いことではなく、それによって引き起こされる合併症にあります。早期から適切な治療を行えば、合併症を予防して健康な人と変わらない生活を送ることができる病気でもあります。
どんな小さな相談でも構いませんので、何か気になることや不安がある場合はどうぞお気軽に新中野駅から徒歩3分・杉並区東高円寺・和田からも近い新中野なべよこ内科へお越しください。
糖尿病とはどんな病気?
食事から摂取した炭水化物は、ブドウ糖に分解されて血液中に吸収されます。通常、膵臓から分泌されるインスリンというホルモンの働きにより、ブドウ糖は細胞に取り込まれてエネルギーとして利用されます。
糖尿病では、インスリンの分泌が不足したり、インスリンの効きが悪くなったりすることで、ブドウ糖が細胞に取り込まれず血液中に溢れてしまい、血糖値が高くなるのです。
糖尿病の主な種類
1型糖尿病
膵臓にあるインスリンを作る細胞(β細胞)が破壊されることで発症します。何らかの原因により、本来は体を守るはずの免疫システムが誤って自分の膵臓を攻撃してしまう「自己免疫」という現象が起こると考えられています。
その結果、インスリンが分泌されなくなり血糖値を下げることができない状態となるため、インスリン注射が必要となります。
2型糖尿病
日本人の糖尿病の大部分を占めるタイプです。インスリンは分泌されているものの、その働きが弱くなったり、分泌量が不足したりすることで血糖値が上昇します。
遺伝的な体質に加えて、肥満や運動不足、ストレスなどの生活習慣が加わることで発症します。多くの場合、自覚症状がないまま徐々に進行するため、健康診断で初めて発見されることも少なくありません。
初期段階では生活習慣の改善や飲み薬で治療できることが多いですが、進行するとインスリン注射が必要になる場合があります。
糖尿病の症状
初期症状
糖尿病の初期段階ではほとんど自覚症状がありません。健康診断で血糖値やHbA1cの異常を指摘されて初めて気づく場合がほとんどです。
高血糖状態が続くと現れる症状
- のどの渇き、多飲(水分を多く摂る)
- 頻尿、多尿(トイレの回数が増える)
- 体重減少(食べているのに痩せる)
- 疲れやすい、だるい など
血糖値が高い状態が長く続くとこのような症状が出現します。糖尿病だけに限らない症状もあるため、少しでも気になる場合はできるだけ早く受診しましょう。
糖尿病の検査
いくつかの検査を組み合わせることで、糖尿病の有無や進行度を総合的に判断します。定期的な検査により、早期発見や早期治療につなげることが大切です。
尿検査
尿中に糖が出ているかどうかを調べます。通常、糖は腎臓で再吸収される物質ですが、血糖値が高くなると再吸収しきれないため尿に糖が出てくるのです。また、糖尿病が進行した際に現れるケトン体という物質の有無も確認できます。
血糖値検査
血液中のブドウ糖の濃度を測定する基本的な検査です。
空腹時、食後、随時など、測定するタイミングによって値が大きく変わります。
食事の内容や検査前の運動などにも影響されやすいため、検査条件を整えることが重要です。
HbA1c検査
過去1~2ヶ月間の血糖値の平均的な状態を反映する検査で、赤血球中のヘモグロビンに糖が結合した割合を測定します。
血糖値検査と異なり、検査直前の食事の影響を受けないため、普段の血糖コントロール状態を把握できます。糖尿病の診断だけでなく、治療効果の判定にも重要な指標となります。
当院では院内でHbA1cの測定が可能で、受診当日に結果をお伝えし、その場で治療方針を決定することが可能です。
糖尿病の三大合併症
糖尿病の合併症のなかでも、特に「三大合併症」と呼ばれる神経障害、網膜症、腎症は、細い血管が集中している部位に起こる合併症です。
血糖コントロールが不良な状態が長く続くと徐々に進行していくもので、初期には自覚症状がほとんどないため、気づいた時には既に進行していることも少なくありません。
糖尿病性神経障害
手足の感覚が鈍くなったり、しびれや痛みが出たりします。足に負った傷に気づかず、壊疽(えそ:組織が死んでしまうこと)から切断に至ることもあります。
糖尿病性網膜症
目の奥の網膜の血管が傷つき、視力低下や最悪の場合は失明につながります。成人の失明の原因で大部分を占めているものです。
糖尿病腎症
腎臓の細い血管が傷つくことで腎機能が低下します。状態が進行すると透析が必要になります。
糖尿病の治療
糖尿病は食事療法や運動療法に加えて、必要に応じて薬物療法を行うことで治療します。血糖値を良好にコントロールし、合併症の発症や進行を防ぐことが非常に重要です。
新中野なべよこ内科では、循環器専門医が食事や運動に関する指導から治療薬の処方まで、一貫して携わることで患者様の糖尿病の改善に努めます。
食事療法
食事内容を整えることは糖尿病治療の基本です。適正なエネルギー量を守り、栄養バランスの良い食事を規則正しく摂ることが大切です。
- 1日3食、規則正しく食べる
- 野菜を先に食べる(ベジファースト)
- よく噛んでゆっくり食べる
- 間食や夜食は控える
- アルコールは適量に など
運動療法
運動療法は糖尿病治療の基本となる重要な治療法の1つです。有酸素運動(ウォーキング、水泳、サイクリングなど)と筋力トレーニング(レジスタンス運動)を組み合わせることが推奨されています。有酸素運動は血糖値の改善に直接的な効果があり、筋力トレーニングは筋肉量を増やすことで基礎代謝を向上させ、長期的な血糖管理に貢献します。
ただし、糖尿病の合併症がある場合は注意が必要です。特に糖尿病性網膜症、腎症、神経障害などがある場合は、運動強度や種類を慎重に選択する必要があります。
薬物療法
薬物療法は食事療法や運動療法のみでは血糖値のコントロールが難しい場合に行います。薬物療法開始後も、食事療法や運動療法を続けることが大切です。
内服薬
糖尿病の内服薬には、インスリンの分泌を促すもの、インスリンの効きを良くするもの、糖の吸収を遅らせるもの、尿に糖を排出させるものなど、様々な機序で作用するものがあります。
注射薬
毎食前に注射するタイプのインスリン注射のほか、最近ではより少ない回数の注射で効果が持続する薬も登場しています。薬の選択は血糖値の状態や合併症の有無、ライフスタイルなどを総合的に考慮して決定します。