慢性気管支炎(COPD)とは?

慢性閉塞性肺疾患(COPD)は、主に長年の喫煙が原因で起こる進行性の肺疾患です。「肺の生活習慣病」とも呼ばれ、日本では多くの患者様がいると推定されていますが、実際に診断・治療を受けている方はごく一部に過ぎません。多くの方が「年のせいで息切れがする」「咳や痰は当たり前」と思い込み、症状を見過ごしているのが現状です。
COPDは一度失われた肺機能は元に戻らない不可逆性の疾患です。しかし、早期発見と適切な管理により、症状の進行を遅らせ、生活の質を維持することは可能です。新中野駅から徒歩3分・杉並区東高円寺・和田からも通院が便利な新中野なべよこ内科では、早期発見から継続的な管理まで、専門機関と連携しながら患者様をサポートしています。
COPDの特徴・原因
特徴
COPDは、気管支や肺胞が慢性的な炎症により損傷を受け、呼吸機能が徐々に低下していく疾患です。主に肺気腫と慢性気管支炎の2つの病態が混在して起こります。重要な特徴は、一度破壊された肺の構造は元に戻らないということです。症状が軽いうちに発見し、進行を食い止めることが極めて重要になります。
主な原因
COPDの主な原因は喫煙です。患者様の多くが喫煙者または過去の喫煙者であり、喫煙期間が長く、1日の本数が多いほどリスクが高まります。受動喫煙も原因となり得ます。その他の原因として、職業上の粉塵や化学物質への長期暴露、大気汚染、遺伝的要因なども挙げられます。
COPDの症状
COPDの初期症状は軽微で、見過ごされることも少なくありません。「朝起きたときの咳や痰が続く」「階段を上ると息切れがする」「風邪をひきやすくなった」といった症状から始まります。これらの症状を「年のせい」と軽視してしまうことが問題です。同年代の人と比べて明らかに息切れしやすい場合は、COPDを疑う必要があります。
病気が進行すると、より軽い動作でも息切れが起こるようになります。「着替えや入浴で息切れする」「平坦な道を歩くだけで息が苦しい」といった状態になり、日常生活に大きな支障をきたします。さらに進行すると、安静時でも呼吸困難を感じるようになります。
COPDの経過中には、症状が急激に悪化する「急性増悪」が起こることがあります。感染症がきっかけとなることが多く、生命に関わる場合もあるため、早急な医療機関受診が必要です。
COPDの検査・診断
COPDの診断には、まず肺機能検査(スパイロメトリー)が重要です。この検査では、息を吸ったり吐いたりする能力を測定し、気道の狭窄や肺機能の低下を客観的に評価できます。胸部レントゲン検査では、肺の過膨張や肺気腫の変化を確認できます。血液検査により炎症の程度を評価し、パルスオキシメーターで血中酸素濃度を測定します。
これらの検査により、COPDの診断と重症度の判定を行うことができます。より詳細な評価が必要な場合は専門医にご紹介いたします。胸部CT検査や動脈血ガス分析など、より専門的な検査により詳しい病状評価と治療方針の決定を行います。
当院での治療
COPDの治療で最も重要なのは禁煙です。当院では、必要に応じて禁煙のための専門的なサポートを行います。薬物療法では、気管支拡張薬により呼吸を楽にする治療を行います。症状や重症度に応じた薬剤を選択し、吸入方法についても丁寧にご指導いたします。生活指導では、適度な運動の継続、栄養管理、感染予防策について具体的にアドバイスいたします。インフルエンザワクチンや肺炎球菌ワクチンの接種も積極的におすすめしています。
重症例や急性増悪を繰り返す場合は、呼吸器内科専門医による高度な治療が必要です。在宅酸素療法、呼吸リハビリテーション、非侵襲的陽圧換気療法などが必要と判断される場合は、専門機関と連携しながら患者様のサポートを行います。
日常生活での注意点
禁煙
COPDの進行を抑制するために重要な治療は禁煙です。禁煙により肺機能の低下速度を遅らせて、症状の改善につなげます。
感染予防
COPDの方は感染症にかかりやすく、感染により急性増悪を起こすリスクが高くなります。手洗い、うがい、マスクの着用を心がけ、毎年のインフルエンザワクチン接種と肺炎球菌ワクチン接種を強くおすすめします。
適度な運動
過度な運動不足は筋力低下によりさらに息切れしやすくなる悪循環に陥る可能性があります。無理のない範囲での散歩や体操を継続することが重要です。